朝ドラあんぱん最終週「愛と勇気だけが友達さ」アンパンマン主題歌の歌詞の意味を考察
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」もいよいよ最終週を迎えます。そのタイトルは「愛と勇気だけが友達さ」。これは言わずと知れたアンパンマンの主題歌『アンパンマンのマーチ』の一節であり、アンパンマンという作品を象徴する言葉でもあります。第128回では、主人公・嵩(やなせたかしがモデル)がアンパンマンのテレビアニメ化にあたり、自ら主題歌の作詞を担当するシーンが描かれました。そこで彼が書き上げた歌詞が「何のために生まれて、何をして生きるのか?」「愛と勇気だけが友達さ」というフレーズです。一見シンプルで子ども向けの言葉ですが、実は非常に深い人生哲学が込められています。今回は、この歌詞にどのような意味があるのか、そして朝ドラ「あんぱん」の物語とどう結びついているのかを考えてみましょう。
「何のために生まれて、何をして生きるのか?」の意味
この問いかけは、子どもだけでなく大人の心にも突き刺さります。やなせたかし自身、戦争体験や苦しい下積み生活を通して「人は何のために生きるのか」という命題と向き合い続けました。生まれた意味、生きる理由は一人ひとり違います。しかし「誰かのために役に立つことこそが生きる意味になる」というのがやなせの結論でした。アンパンマンが自らの顔をちぎって人を助けるのも、「生きる意味=人を助けること」を体現しているからです。
朝ドラ「あんぱん」でも、このテーマは一貫して描かれています。主人公・嵩が漫画家として迷いながらも、最後には「誰かを励ます作品を描くことこそ自分の使命」と悟る姿は、歌詞の問いに対するひとつの答えだと言えるでしょう。
「愛と勇気だけが友達さ」の意味
このフレーズはとても有名ですが、誤解されやすい部分でもあります。「アンパンマンには友達がいない」という意味ではなく、やなせたかしの思想として「最後に頼れるのは地位や名誉やお金ではなく、愛と勇気だけだ」という価値観を示しています。
愛=誰かを思いやる気持ち
勇気=困難に立ち向かう心
この二つがあれば、人は生きていける。逆にそれ以外のものは移ろいやすく、永遠には続かない。そうした人生観を、シンプルな言葉に凝縮したのがこの一節です。
ドラマ最終週のタイトルが「愛と勇気だけが友達さ」とされたのも偶然ではなく、やなせたかしの人生そのものを締めくくるにふさわしい言葉だからでしょう。
ドラマ「あんぱん」と歌詞の結びつき
ドラマでは、嵩は何度も挫折し、周囲から理解されず苦しみました。しかし彼を支えたのは、妻・のぶや母・登美子、そして仲間たちの「愛」でした。そして自分の信念を曲げずに漫画を描き続ける「勇気」こそが、彼の道を切り開いたのです。だからこそ最終週で掲げられた「愛と勇気だけが友達さ」は、単なるアンパンマンの歌詞以上の意味を持ちます。嵩=やなせたかしの人生の答えであり、ドラマ全体のテーマの結晶とも言えるでしょう。
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まとめ
「何のために生まれて、何をして生きるのか?」
「愛と勇気だけが友達さ」
この二つのフレーズは、子どもの歌にとどまらず、やなせたかしが生涯をかけて追い求めた人生哲学そのものです。朝ドラ「あんぱん」最終週は、この歌詞を軸に「人はなぜ生きるのか」「何を残すのか」という普遍的なテーマを描くことになるでしょう。視聴者もまた、この歌詞を通じて自分自身の生き方を問い直すきっかけを得られるはずです。
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