朝ドラ「あんぱんまん」「かびるんるん」と「ふけつまん」登場理由!誕生秘話【第128回考察】

朝ドラ「あんぱん」第128回であんぱんまんキャラクター「かびるんるん」と「ふけつまん」登場

朝ドラ「あんぱん」第128回であんぱんまんキャラクター「かびるんるん」と「ふけつまん」登場

朝ドラ「あんぱん」第128回であんぱんまんキャラクター「かびるんるん」と「ふけつまん」登場

2025年9月24日放送の朝ドラ「あんぱん」第128回では、物語の大きな転機となるシーンが描かれました。主人公・やないたかしに、テレビ局の武山という男性がアンパンマンのアニメ化を強くすすめる場面です。武山は筋金入りのアンパンマンファンで、のぶに「好きなキャラクターは?」と聞かれると、ためらいなく「かびるんるん」と「ふけつまん」と答えました。このやりとりは視聴者の間でも話題になり、ネット上では「なぜその2体?」と盛り上がりを見せています。

 

 

 

かびるんるん――小さな群体がもたらす脅威

ドラマの中では1983年4月に誕生したとされていますが、実際にテレビアニメで登場したのは1988年10月10日放送回です。ばいきんまんの忠実な手下として知られ、無数に群れをなして登場する姿が特徴的です。彼らは動き回ることで周囲にカビを広げ、清潔なものを一瞬で汚してしまう力を持ちます。アンパンマンの顔を覆い力を奪うなど、ばいきんまんの策略を助ける存在として欠かせません。

 

原点をたどると、1983年に出版されたミニブックス『アンパンマンとかびるんるん』で初めて絵本に登場しました。やなせたかし自身が「このキャラクターは傑作」と記していたことからも、作者の強い思い入れが感じられます。見た目は単純で小さな黒い存在ですが、そのシンプルさが逆に不気味さを際立たせ、多くの子どもたちの記憶に残る存在となりました。

ふけつまん――「不潔」を武器にした異色のキャラクター

一方のふけつまんについては、ドラマの中では1980年1月の「いちご絵本」で誕生したとされています。しかし実際のアニメ初登場は1989年5月15日。かびるんるんよりも少し遅れて作品世界に加わりました。

 

ふけつまんの最大の特徴は、「不潔爆弾」をつくり出して周囲を汚すこと。彼の持つ信念は一風変わっており、「物は使えば古くなる、人もまた同じように汚れていく」という哲学的なセリフが印象的です。動物たちが自然に体を清める習性を持つことを知りながらも、あえて「汚れ」を選び取る姿は、ばいきんまんの配下でありながら独自の個性を放っています。

また、単なる敵役にとどまらず、「清潔」「不潔」という日常的なテーマを子どもたちに考えさせる存在でもありました。泥んこ遊びの楽しさや、清潔であることの大切さを対比的に学ばせるキャラクターといえるでしょう。

ドラマと史実のズレが生むおもしろさ

「あんぱん」では、かびるんるんの誕生を1983年、ふけつまんを1980年と設定していますが、実際にはどちらも1980年代後半にアニメへ登場しています。この「ズレ」はドラマ的な演出であり、当時の時代背景やキャラクター誕生のインパクトを強調するための工夫と考えられます。視聴者にとっては、フィクションと現実の境界が交錯する点も楽しみのひとつでしょう。

武山が選んだ理由とは?

では、なぜ武山は好きなキャラクターとして「かびるんるん」と「ふけつまん」を挙げたのでしょうか。両者に共通しているのは「清潔を汚す存在」であることです。アンパンマンが「正義」や「清らかさ」の象徴なら、彼らはそれを真っ向から揺さぶる存在。悪役でありながら愛嬌があり、人間の弱さや日常の一面を映し出す点が、かえってファンの心をつかむのかもしれません。

まとめ

第128回で注目を浴びた「かびるんるん」と「ふけつまん」は、どちらも単なる敵役を超えた魅力を持つキャラクターです。やなせたかしが生み出した数多くの仲間たちの中でも、清潔と不潔という身近なテーマをユーモラスに描き出した点で、特に異彩を放っています。今後の「あんぱん」で彼らがどのように描かれるのか、視聴者の関心はさらに高まっていくことでしょう。

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