「ばけばけ」第6週次回予告|雨清水三之丞のその後は?モデル小泉藤三郎との比較考察

11月3日から放送されるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』第6週「ドコ、モ、ジゴク。」の次回予告では、汚れた着物を着て倒れている雨清水三之丞(板垣李光人)に、ヘブン(トミー・バストウ)が手を差し伸べる印象的なシーンが登場しました。傅が亡くなり松江を離れた三之丞は、その後どんな運命を辿ったのでしょうか?実在モデルとされる小泉藤三郎の史実と照らし合わせながら考察します。
雨清水三之丞の現状と背景
ドラマでは、雨清水家の傅が亡くなった後、屋敷と家財を売って借金を返済し、三之丞と母・タエ(北川景子)は安来の親戚宅に身を寄せていました。しかし、そこでの暮らしは苦しく、タエは「雨清水家の人間なら、人に使われるのではなく人を使う仕事をしなさい」と三之丞に言い放ちます。三之丞は仕事を探すために松江へ戻り、司之介(岡部たかし)が働く牛乳屋を訪ねて「社長として雇ってほしい」と頼みますが、当然のように断られてしまいます。結果として彼は働く場所を失い、やがて街中で倒れてしまったと見られます。
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モデル・小泉藤三郎とは
三之丞のモデルとされるのは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツの弟である小泉藤三郎です。
藤三郎は旧士族の家に生まれましたが、父の事業失敗により家運が傾き、貧困に苦しむ生活を送りました。姉セツが八雲と結婚した後は、援助を受けながらも生活は安定せず、墓を売り払うほど困窮したと伝えられています。
史実の藤三郎の歩み
- 明治初期に松江で誕生。
- 家業の織物会社が倒産し、家族は離散。
- 姉・セツ(ハーン夫人)からの仕送りに頼るが、生活は立ち行かず。
- やがて消息が途絶え、晩年の記録は不明とされています。
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ドラマと史実の相違点
ドラマ『ばけばけ』では、三之丞は「物乞いになる母タエを救えなかった青年」として描かれていますが、史実の藤三郎は「姉夫婦に援助されながらも没落していく姿」が伝えられています。つまり、どちらも「旧士族の家からの転落」「誇りを失いながらも生きようとする苦悩」というテーマで共通しており、三之丞の描写は史実を脚色して再構成したものと見られます。
次回予告の“倒れた三之丞”の意味
次回予告で描かれた、倒れている三之丞にヘブンが手を差し伸べる場面は、単なる同情の場面ではなく、“過去の身分制度を超えて人として救う”というメッセージ性が込められていると考えられます。ヘブンは異国の人間として差別や偏見を受けつつも、弱者に寄り添おうとする人物。倒れた三之丞に手を差し伸べるシーンは、「彼自身も救われる側でありながら、人を救う側にも立つ」という象徴的な構図といえます。
史実における“三之丞のその後”
史実の藤三郎は、八雲の義弟として松江を出た後、京都や大阪方面に転居した可能性があるとされます。しかし、その後の記録は途絶えており、死亡年も不明。一説では、病を患い孤独のうちに亡くなったともいわれています。こうした史実の終焉を踏まえると、ドラマの三之丞も再び立ち上がるというより、「トキやヘブンの手によって一時的に救われるが、再び彼自身の“地獄”に戻る」という悲劇的展開の可能性もあります。
まとめ:三之丞の存在が示すもの
三之丞は『ばけばけ』の中で、“身分と誇りの崩壊”を象徴するキャラクターとして描かれています。 ヘブンやトキと対照的に、彼は「生きる目的を見失った者」の代表でもあり、松江社会の現実を映し出す存在です。 史実の藤三郎の悲劇を踏まえると、ドラマでも“救われない”ままに物語の一部を担う可能性が高いでしょう。
※本記事はNHK『ばけばけ』第6週予告映像および小泉家史料・研究文献をもとに再構成・考察した内容です。
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