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歴史ドラマ解説

『べらぼう』第41回「尽きせぬは欲の泉」人相見・大当開運(爆笑問題太田光)と加藤千蔭の史実を探る

『べらぼう』第41回「尽きせぬは欲の泉」──人相見・大当開運と加藤千蔭の史実を探る

『べらぼう』第41回「尽きせぬは欲の泉」──人相見・大当開運と加藤千蔭の史実を探る

『べらぼう』第41回「尽きせぬは欲の泉」──人相見・大当開運と加藤千蔭の史実を探る
NHK大河ドラマ『べらぼう』第41回「尽きせぬは欲の泉」(2025年10月26日放送予定)では、爆笑問題太田光さん演じる人相見・大当開運と、中山秀征さん演じる国学者加藤千蔭が登場します。
本記事では、劇中に登場するこの二人が史実に基づく人物かどうかを検証しつつ、江戸の「相学」や「文人文化」との関わりを解説します。

※本記事は2025年10月18日発売のNHK出版『大河ドラマ べらぼう 完結編』をもとに構成した内容です。実際の放送内容とは一部異なる場合があります。
(2025年10月19日更新)

◆「大当開運」という人相見は実在したのか?

第41回では、蔦屋重三郎横浜流星)が出版する「婦人相学十躰」を広めるため、評判の人相見・大当開運(太田光を招くシーンが描かれます。この「相学(そうがく)」とは、顔立ちや身体的特徴から性格や運命を読み取る学問で、江戸時代には『南北相法』『人相早引』などの書が多く出版されました。

しかし史料を確認したところ、「大当開運」という名の人物は江戸の文献には見当たりません。つまり架空の人物であり、蔦屋重三郎の商才を引き立てる“創作キャラクター”と考えられます。ただし、江戸には実際に人気の人相見や易者が多く、彼らの看板には「開運」「大吉」「福寿」などの語が並び、「大当開運」という名も当時の流行語的センスとして非常にリアルです。このため太田光さん演じる大当開運は、江戸の町人文化の中で「商売と占いが結びついた象徴的人物」として描かれているといえるでしょう。

◆相学と江戸の出版文化──「婦人相学十躰」とは

劇中に登場する歌麿の「婦人相学十躰」は、実際に1792年(寛政4年)に蔦屋重三郎が出版した美人画シリーズです。この作品は女性の顔立ちに“性格や心の美しさ”を重ねる画期的な試みで、江戸の流行を象徴しました。また、雲母摺りという技法で印刷された豪華な仕上がりは、当時の町人たちを魅了しました。この相学ブームの背景には、「南北相法」などの占い書の流行があり、人々は“顔に運命があらわれる”という考えを信じていました。つまり蔦重が「婦人相学十躰」を出版したのは、時代のニーズを的確に捉えた戦略だったといえます。

◆実在の文人・加藤千蔭(中山秀征)

一方で、劇中に登場する加藤千蔭(かとう ちかげ)は実在の人物です。1749年(寛延2年)生まれの国学者歌人で、賀茂真淵に師事し、和歌・書道・古典研究の分野で高い評価を受けました。代表作には『万葉集略解』『千蔭集』などがあり、和歌の復興に尽力した人物として知られています。

蔦屋重三郎とも実際に交流があり、蔦屋の出版網を通じて、千蔭の書や詩が庶民層にも広まりました。劇中で蔦重が「女性に人気の出る書物を作りたい」と千蔭を料亭に招く場面は、史実にもとづいたリアリティのある再現といえるでしょう。

◆「尽きせぬは欲の泉」第41回のあらすじ

須原屋も物上半減を言い渡され、林子平の『三国通覧図説』や『海国兵談』を扱ったことが原因とされます。蔦重は書物問屋として新たな挑戦を決意し、「婦人相学十躰」などの出版を企画。歌麿染谷将太)の絵、てい(黒島結菜)の知恵、そして千蔭・大当開運の協力によって、新しい読者層を取り込もうとします。

詳しいあらすじはこちら:
▶ 第41回「尽きせぬは欲の泉」あらすじ詳細

◆まとめ──江戸の“占いと出版”の融合

大当開運は架空の人物ですが、当時の「相学」や「開運商法」を象徴するリアリティのある存在。そして加藤千蔭は、実在の文人として蔦屋重三郎と文化的に深く結びついていました。

つまり、第41回は「知(学問)」と「俗(占い)」の融合を描いた回ともいえます。江戸の出版業が、いかに時代の流行を取り込みながら発展したか──それが見どころとなるでしょう。

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