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べらぼう第44回考察|「丈右衛門だった男」は生きていた?偽平賀源内の正体とは

べらぼう第44回考察|「丈右衛門だった男」は生きていた?偽平賀源内の正体とは

べらぼう第44回考察|「丈右衛門だった男」は生きていた?偽平賀源内の正体とは

べらぼう第44回考察|「丈右衛門だった男」は生きていた?偽平賀源内の正体とは
NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第44回では、 蔦屋重三郎が町中で「平賀源内によく似た男」を目撃し、後を追うシーンが登場しました。 しかしその途中で長谷川平蔵とぶつかり、源内らしき男を見失ってしまいます。 そしてその後、今度は平蔵がその男を見かけ、「まさか…」と驚きの表情を浮かべます。 この“源内に似た男”の正体─それは、かつて平蔵が矢で射抜き、死んだと思っていた 「丈右衛門だった男」ではないか?という説が浮上しています。

■ 第44回の衝撃シーン──「平賀源内の生存説」再燃

第44回では、蔦重の前に突如として現れた「平賀源内そっくりの男」。 町人たちの間でも「源内が生きている」という噂が広がり、 朋誠堂喜三二や松平定信までもがその真偽を探る展開になります。しかし、この男の正体は“本人”ではなく、 まるで誰かが意図的に「源内を装っている」かのような不自然な動きを見せます。 この不穏な存在が物語後半に大きな伏線として機能しているのです。

■ 「丈右衛門だった男」再登場説とは?

平賀源内を名乗るこの男の正体について、視聴者の間で囁かれているのが、 「丈右衛門だった男=偽源内」説 です。丈右衛門とは、過去のエピソードで平蔵が放った矢によって倒れ、 すでに死んだと思われていた男。 しかし平蔵が第44回で源内そっくりの顔を見て「まさか」と呟くシーンから、 彼が生き延びていた可能性が浮上しました。つまり─ 平蔵が殺したはずの「丈右衛門」が実は生きており、 何者かの指示で“平賀源内の影武者”として登場していたのではないか? この仮説が、一連の「源内生存説」を裏で操る黒幕構図を解く鍵となります。

■ 偽源内を操る者──背後に一橋治済か?

もし丈右衛門が生きていたとすれば、 その背後には強力なスポンサー、すなわち一橋治済(ひとつばし はるさだ)の存在があった可能性があります。

  • 源内に似せた男を意図的に登場させ、田沼派を混乱させる。
  • 「源内が生きている」という噂を流すことで、定信や蔦重を動揺させる。
  • 情報操作により、治済の失脚計画を事前に察知する。

こうした“心理戦”は、治済の策謀として非常に自然です。 丈右衛門は、もともと下級武士や浪人上がりの設定が濃厚であり、 情報操作や諜報活動に長けた存在として再利用されることも十分に考えられます。

長谷川平蔵の「まさか」は一橋治済だった

平蔵が源内の顔を見て驚くシーン──この「まさか」という一言には、 かつての宿命の相手に再び出会った驚きと、 封印された過去の罪が蘇る心理的衝撃が重なっています。平蔵は第44回で、定信の密命を受けて“源内の影を追う”役割を担っています。 つまり、平蔵自身が丈右衛門の再登場を予感しながらも、 確証を得られずにいる─。しかし実際にはもう1つの説も浮上しています。それはこの平賀源内のふりをしていのは一橋治済だという説です。その理由は44回のオープニングクレジットに一橋治済(生田斗真)の名前がありましたが、一橋治済の登場シーンはなくまた、丈右衛門だった男の名前が登場しなかったからです。

■ 偽平賀源内=丈右衛門説の構図まとめ

要素 内容
登場 町中で蔦重が目撃、のちに平蔵も確認
人物像 平賀源内に酷似、しかし挙動に不審あり
正体説 過去に平蔵が討った「丈右衛門」または「一橋治済」だった可能性
目的 源内生存説を流し、治済失脚計画を妨害
背後 一橋治済またはその間者による策略

■ 史実との比較──源内に影武者は存在したのか?

史実の平賀源内には“影武者”や“偽者”の記録はありません。 しかし、江戸時代後期には「源内は獄死していない」「蝦夷地へ逃げた」など、 多くの生存伝説が流布しました。 そのため、脚本家・森下佳子氏がこれらの伝説をもとに、 “源内の影=一橋治済or丈右衛門”という新たな構図を作り上げた可能性は高いです。

■ 結論──「一橋治済or丈右衛門=偽源内」説が示す脚本の狙い

この“偽源内”の存在は、単なるサスペンスではなく、 蔦重・平蔵・定信・治済──それぞれの「正義と復讐」を交錯させる 物語の中核に位置しています。丈右衛門がもし生きていたのなら、彼は「権力に利用された犠牲者」であり、 同時に“生き残るために偽りの顔を被った男”でもあります。 それはまさに、江戸という時代そのものの象徴です。最終回へ向けて、この「偽源内=丈右衛門」説がどう描かれるのか─ 今後の展開に注目です。

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参考:
NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第44回(2025年11月16日放送)
NHK出版『べらぼう 完結編』
・東京都立図書館デジタルアーカイブ「平賀源内関係史料」
※本記事はドラマ考察を目的としており、登場人物・事件・設定の一部には脚色や史実解釈を含みます。