全国の神社を巡る旅

歴史ドラマ解説

サイトのヘッダー画像

べらぼう第46話考察「浄瑠璃小屋の男”は誰だ? 治済そっくりの替え玉・双子説・影武者説を史実から検証」

べらぼう第46話考察「浄瑠璃小屋の“治済そっくりの男”は誰だ? 替え玉・双子説・影武者説を史実から検証」

べらぼう第46話考察「浄瑠璃小屋の“治済そっくりの男”は誰だ? 替え玉・双子説・影武者説を史実から検証」

べらぼう第46話考察「浄瑠璃小屋の“治済そっくりの男”は誰だ? 替え玉・双子説・影武者説を史実から検証」
第46話「曽我祭の変」で視聴者を驚かせたシーン── それが、松平定信長谷川平蔵浄瑠璃小屋に治済をおびき出して始末しようとした場面でした。その後黒い着物を来た治済の姿が数秒間写されされました。これは「一橋治済本人なのか?」 「まさか、替え玉を用意していた?」 「双子や兄弟がいたのか?」 物語は佳境へ向かう中で、まるで“伏線”のように登場した謎の男。 この記事では治済替え玉説の可能性を、史実とドラマの意図の両側から徹底検証します。

■ まず第46話の“謎のシーン”を整理する

第46話では、定信と平蔵が治済をおびき出すために浄瑠璃小屋へ向かいます。 しかし本丸である治済は姿を見せず、 なぜか“謎の男”が舞台裏にいたという描写がありました。

これは物語上、以下の2つの可能性を含んでいます。

  • ① 定信側が治済を始末したあと、替え玉と入れ替えるために男を用意していた
  • ② 本物の治済が「影武者」を持っていた

治済を密かに始末したとしても、突然の死は大騒動となるため、 「生きていることにして表向きを保つ」ために替え玉を使う── これは江戸時代の政治手法として十分あり得る仮説です。

■ 史実の一橋治済に“そっくりの兄弟・双子”はいたのか?

結論から言うと── 治済に双子や瓜二つの兄弟がいたという記録は存在しません。

● 一橋治済(徳川治済)の家系

治済の兄弟はいますが、双子ではなく、容姿の類似を示す史料もありません。したがって「双子説」は史実的には否定されます。

■ では“影武者”はいたのか?

実は、徳川治済は史実で政治謀略・密通・諜報活動を得意とした人物として知られています。 そのため、影武者や間者を用いていた可能性は、 双子説よりもはるかに高いといえます。

● 「影武者」は当時の政治で普通に使われていた

一橋家のような大身の家であれば、治済にそっくりな者を探し出し、 儀式・表向きの場面で「影武者」として使うことは十分あり得ます。

■ 第46話の“治済そっくりの男”は何を意味するのか?(ドラマ的考察)

この男の登場は、次の2つのドラマ的意図があると考えられます。

① 定信の「替え玉計画」を示唆する伏線

もし定信が治済を密かに処分するつもりなら── 替え玉を使うしかないのです。そのために「治済そっくりの男を見つけていた」という描写は、 非常に論理的であり、 最終回の「阿波の孤島へ密かに送られる治済」という展開の伏線になっています。

② 治済自身も“影武者”を持っていた可能性の伏線

第46回の治済は、 定信の策を完全に読んで逆に毒饅頭で報復するなど、 政治的にも狡猾さが際立っています。影武者をあらかじめ配置していたとしても、 まったく不思議ではありません。

■ 史実・脚本・演出の三方向からまとめると?

  • 治済に双子の兄弟はいない → 史実上「双子説」は否定
  • しかし政治的に影武者を使うのは普通 →「影武者説」は高確率
  • 第46話のそっくり男=替え玉としての伏線の可能性が高い
  • 治済は密かに処分され、替え玉を通じて“大騒ぎを避ける”演出に繋がる

つまり、ドラマ的にも史実的にも、 「治済替え玉計画」は非常に整合性が高い仮説となります。

■ まとめ:浄瑠璃小屋の“治済そっくり男”は物語上の重要な暗号

最終回に向けて一橋治済の運命は大きく動き出します。 その中で第46話の“そっくり男”は、 視聴者への暗号・伏線として配置されたものだと考えられます。

  • 治済を密かに成敗するための替え玉
  • 影武者として治済自身が用意した存在
  • どちらにも受け取れる絶妙な描写

いずれにせよ、この謎の男こそが、 蔦重・定信・治済の三者が迎える最終決戦の鍵となるでしょう。

▼最終回の結末を動画で詳しく解説しています(YouTube

2025年11月28日にNHK出版より発売された『大河ドラマ べらぼう 蔦重栄華乃夢噺 完全小説版 第4弾』には、第37話〜48話(最終回)までのあらすじが台本をもとに小説化された形で収録されています。ここでは第46話「曽我祭の変」、第47話「饅頭こわい」、そして第48話(最終回)「蔦重栄華乃夢噺」の内容を、書籍から読み取れる範囲で動画で解説しています

zenkokuichinomiya.hatenablog.com